1940s French "襤褸" Black Chambray Atelier coat

SOLD OUT

1940年代、フランス。
当時の画家が絵を描く際、汚れが付かないようにと洋服の上から好んで着用していたことから<Atelier coat>と呼ばれるこちらのコート。

今回ご紹介させて頂く１着は、

当時のリアルな画材跳ねがフロント全面に飛散。

繰り返し洗いにかけられたことにより
コットンの糸が抜け落ちた薄く、頼りないガーゼのような生地感。

右腕を縦断するように縫い付けられた補修跡、パッチワーク。

左袖には最早隠しようの無い致命的なダメージ。

着用者の癖に合わせチグハグに設定された左右のポケット。いずれにも最も負荷が掛かりやすい縁部分にはリペア跡が。

"襤褸"

そう形容するに難くないコンディションです。

綺麗で清潔な衣類が正統とされる現代。

そこではこの１着は衣類としての役割を終えた"終焉"
そう見做されても至極妥当。

しかし私の目に映る彼の姿は全くもって逆。

全体各部の
破れては補修し
生地を継ぎ足し
時間と労力、愛を継ぎ足し
幾度となくキャンバスに向き合った軌跡。

そこに宿るのは
人為的なダメージ加工などでは到底勝ち取ることのできない圧倒的な美。

蓄積した約80年もの歳月
幾度となく水に通されたことにより
ゆっくりと変化していった体を包み込む柔らく優しい質感。

衣類の"終焉"は此処でしょうか。

若しくはそんなものが存在するのでしょうか。

1940年頃のとある画家の羽織として
"機能的"衣類としての役割を果たし
受け継がれ、海を越え
今回提案させて頂くに至ったこちらの１着。

現代へのアンチテーゼとして
"襤褸"の美学の体現者として
羽織ってくださる方が居られましたら
是非。

[サイズ]
肩幅:50cm
身幅:65cm
着丈:114cm
袖丈:57cm

着用モデル
175cm

＊こちらはused品でございます。新品をお求めの方、完璧なお品をお求めの方は購入をお控えください。